他のECプラットフォームやカートシステムからShopifyへ移行するとき、商品・顧客・注文のデータは移行ツールで移せます。ただ、これまで貯まっていたポイントの残高と会員ランクは、そのままでは移りません。移行ツールが扱うのはShopifyの標準データで、ポイント制度はアプリごとの仕組みだからです。
Pointiaは、Shopifyへ移した過去のご注文をさかのぼって取り込み、ポイントと会員ランクを再現できます。「ずっと買っているのに新規扱い」という顧客の不満を、移行初日から避けられます。
ただし、作業の順番を間違えるとあとから取り消せない事故が起きます。この記事では、移行作業の流れに沿って手順と注意点をご案内します。
引き継げるもの、引き継げないもの
はじめに期待値をそろえておきます。
過去の購入実績からの再現はできます。期間を指定して過去のご注文をまとめて取り込み、さかのぼってポイントと会員ランクに反映できます。取り込み方は「ランクの判定だけに反映する(ポイントは配らない)」「ポイントだけ配る」「両方」の3通りから選べます。
Shopifyに取り込んだ注文データを使わずに、旧システムで付与されたポイント残高を直接移行したい場合は、個別の対応になります。残高データをお預かりして顧客ごとに取り込む移行サポート対応もしておりますので、お問い合わせフォームよりご相談ください。可能な場合は、ご自身で GraphQL Admin API を使ってストアクレジットを付与していただいても構いません。その場合でも、Pointiaの管理画面にはデータが反映されます。(反映まではタイムラグがあります)
一部、引き継げない運用ルールもあります。移行の計画時にご確認ください。
- 有効期限を「最終購入日から1年」のように延長する運用は現在できません。Pointiaのポイント有効期限は「付与した日から◯日」で固定です。(今後延長機能が実装される可能性もあります)
- 「今回は500ポイントだけ使う」という一部利用はできません。チェックアウトでは残高の全額が支払合計額まで充当され、超えた分はそのまま残高として残ります
移行の前に把握すべきこと
ここが事故の分かれ目です。どちらも、起きてしまってからでは戻せません。
Pointiaのポイントは「1ポイント=1円」の価値
Shopifyのストアクレジットの仕様上、使用する際の価値(レート)は変更できませんので、これを念頭にポイント還元率を設定してください。特に旧ストアでレートが違う場合はご注意ください。
注文の「Processed At」に、当時の注文日を入れる
Pointiaの取り込みは、Shopifyに登録されているご注文を対象にします。移行元のシステムを直接読みに行くわけではないため、まず注文データをShopifyへ移していただく必要があります。
このとき効いてくるのが Processed At です。Shopifyの注文管理画面に「日付」として表示される項目で、Matrixifyなどの移行ツールでは必須項目ではないためご注意ください。
空のまま移行すると、移行した日がそのまま注文日になります。3年分のご注文を移行してもすべて移行日の1日に積み上がってしまうため、「直近12か月の購入金額でランクを判定する」といった設定が意味をなさなくなります。
当時の注文日を入れて移行できていれば、Pointiaでの取り込みも移行日ではなく「当時の注文日」を基準として扱われ、取り込みの対象期間指定もそれに従います。ポイントの付与も会員ランクの集計も、実際に購入があった時期に沿って反映されます。

なお、取り込みの対象になるのは顧客が紐づいていて、明細の金額が入っているご注文です。顧客情報のないご注文や金額が0円のご注文は対象外となります。
ポイントシステムとウェルカムクーポンは、顧客の移行が終わってからONにする
必ず顧客の移行が完了してからポイントシステムをONにしてください。もしくは、Pointiaのインストール前に移行を済ませてください。
Shopifyの仕様上、顧客の取り込みは「会員登録された」ものとして扱われます。そのため、ウェルカムクーポンを発行する設定をONのまま移行すると、移行したすべてのお客様が「新規会員」として扱われ、各お客様が次にログインしたときにクーポンと通知メールが発行されます。発行後に取り消すことはできません。
取り込んだ時点で一斉に配信されるわけではありませんが、どのお客様にいつ発行されるかは、お客様の再訪しだいで店舗側からは分かりません。数か月後にログインされた方にも発行されます。
なお、発行タイミングを購入と結びつけている場合は、顧客の移行だけでは発行されませんが、ご注文の移行で発行に至ります(詳しくはよくある質問)。
移行のあいだOFFにしておけば、移行が終わってからONに戻しても、移行済みのお客様へさかのぼって発行されることはありません。移行したお客様全員にクーポンをお配りする意図がある場合は、ONのままでも問題ありません。
大枠の流れ
ウィジェット表示設定など細かいものを除き、データ移行は以下のような流れとなります。

Shopify:ストア設定を整える
Shopifyの「新しいお客様アカウント」への切り替えと、ポイントの土台になる「ストアクレジット」機能の有効化が必要です。これはPointia独自の制約ではなくShopify側の仕組みによる要件で、従来のお客様アカウントでは利用できません。どちらもShopifyの管理画面で設定でき、アプリ内のセットアップガイドが順番にご案内します。
Shopify:顧客・注文データをストアに取り込む
先述した注意点を押さえて、顧客と注文データをストアに取り込みます。
Pointia:ルール設定をする
最初にルール設定を済ませます。管理画面の「ポイント・ランク設定」から行います。
この際、必ずポイントシステムは無効のまま設定を完了させてください。この段階で有効にしてしまうと、「ストアで購入が発生した時」や「顧客・過去の注文を取り込んだ時」に、ポイント付与やクーポンの発行が行われてしまいます。
会員ランクは任意の機能です。初期値はOFFです。ランク制度を導入する場合は、ランクシステムはこの時点でONにして評価基準や集計期間を設定します(ポイントシステムとは別のスイッチです)。無効のままだとランクの設定項目が表示されない上に、次の手順の取り込みでランク評価が行われません。
Pointia:過去の注文データを元にポイント・ランクに反映する
準備が整ったら、Shopifyに移行した注文データをPointiaに取り込みます。取り込みは「プレビュー → 適用」の2段階です。
プレビューでは、対象となる顧客の数、想定されるランクの分布、発行されるポイントの総額を確認できます。内容を見てから適用できるので、意図しない範囲に大量のポイントを配ってしまう事故を防げます。プレビューの段階では、まだ1ポイントも発行されていません。

さかのぼれる期間に固定の上限はありません。ストアの開設時までさかのぼることも可能です。
プレビューの内容を適用後、管理画面の会員管理で「全顧客取り込み」を実行すると、購入履歴のない顧客も含めて会員一覧に載せることができます。実行後に新しくご登録いただいた顧客も自動で加わるため、会員名簿として一元的に管理できます。
有効期限の起算日を決める
さかのぼって付与したポイントの有効期限は、「購入日から計算」と「適用日から計算」のどちらかを選べます。ポイントの有効期限はストア全体で付与日からの日数で設定しますが、過去注文の取り込みのときの時だけは起算日を選べます。
「購入日から計算」を選ぶと、古いご注文のポイントはすぐに失効してしまいます。計算上すでに期限が過ぎているご注文については、ポイントの発行は行わず、ランクの集計にのみ反映します。
旧サイトで貯まっていたポイントの期限を引き継ぐか、リニューアルに合わせて期限をリセットするかでお選びください。
Pointia:ポイントシステムを有効化する
取り込み完了後(プレビュー結果の適用後)、最後にポイントシステムを有効化します。管理画面の「ポイント・ランク設定」にある「ポイントシステムを有効化」のスイッチです。
初期値はOFFです。ONにするまで、実際のご注文にポイントは付与されません。移行作業のあいだ設定を触っていても顧客に影響が出ないので、落ち着いて準備を進められます。
有効化すると実際の稼働開始となり、お客様へのポイント付与やクーポン発行が始まります。ウィジェットの設定をしている場合は、オンラインストアにPointiaのウィジェットが表示されます。現在の設定内容がそのまま公開されるため、設定を見直してから有効化してください。
公開後、思ったとおりに反映されないとき
移行直後にもっとも多いのは「購入されたのにポイントが付かない」というご相談です。次の順にご確認ください。
- ポイントシステムが有効化されていない — 初期値はOFFです。有効化するまで、実際のご注文にポイントは付与されません
- ご注文が「支払い完了」になっていない — 代金引換や銀行振込など入金の確認が後になるご注文は、ストアの損失を防ぐため、ステータスが「支払い完了」になるまでポイント付与がされず、ランク集計にも含まれません
費用と相談先
設定画面からご自身で行っていただける過去注文の取り込みは、追加料金なくお使いいただけます。
他のポイントアプリからの残高引き継ぎなどサポートが必要な場合も、無償で対応可能な場合もございます。複雑な調整が必要なケースはで有償となる場合もございます。ストアの状況と要件をうかがったうえで見積額をご提示しますので、まずはお気軽にご相談ください。
有料プランを初めてご契約いただくときは、14日間の無料体験をご用意しています。無料になるのは月額の基本料金で、含まれる月間注文数を超えたご注文には従量課金が発生します。体験期間は最初にご契約いただいた日から数えた14日間で、途中で止めても日数は進みますので、移行作業と並行して試される場合は期間の使い方にご注意ください。
移行の細かい手順はストアの状況によって変わります。制作会社さまがクライアントのストアを代理で設定される場合も含め、お気軽にご相談ください。
あわせてご覧ください
移行まわりの詳細は、よくある質問にもまとめています。
- 過去のご注文をさかのぼって反映する・取り込む前の確認・さかのぼれる期間
- Shopify以外のプラットフォームからの移行・顧客を移行するときの注意・他のポイントアプリの残高
- 遡及付与の有効期限・移行作業中のストアの稼働・未購入の会員の取り込み
- 導入に必要な条件・Shopifyのプラン・開発ストアでの検証
- クーポンとの併用・一部利用の可否・有効期限の延長
- 移行サポートの費用・無料体験・解約したときのポイント
ご不明な点は お問い合わせ からお気軽にどうぞ。