年末や初売りに向けて、購入実績の多い上位の会員(優良顧客)だけが使える会員限定セールを開きたい。Shopifyでは、割引の「利用資格」を顧客セグメントに絞ると、そのセグメントの顧客だけが使える割引になります。手順は次の3つです。
- 対象の顧客を「顧客セグメント」にまとめる
- 割引の「利用資格」を、そのセグメントに絞る
- Shopify Messagingで、同じセグメントに招待メールを送る
ここでの限定セールは、対象の会員だけが割引を使える形です。セールのページや商品そのものを会員だけに見せたい場合は、アプリやテーマのカスタマイズと組み合わせます(この方法でできないことと注意点)。
Pointia(ポイントと会員ランクを管理するShopifyアプリ)を使っているストアでは、会員ランクがそのまま会員ランク: ゴールドのような顧客セグメントになります。限定セールを「ゴールド会員の特典」として案内でき、顧客は自分のランクをアカウントページで確かめられます。
この記事では、PointiaのBasicプランでランクを3段階(ブロンズ・シルバー・ゴールド)にしたストアが、最上位のゴールドだけに限定セールをする例で、3つの手順と、年末・初売りに使える会員先行セールの組み方を説明します。
限定セールの対象を「顧客セグメント」にする
顧客セグメントは、条件に合う顧客を自動でまとめる、Shopify標準の機能です。管理画面の「顧客管理 > 顧客セグメント」で作ります。作ったセグメントは、条件に合う顧客が増えたり減ったりすると、中身も自動で入れ替わります。この「上位の会員」のまとまりを、割引の対象とメールの宛先の両方に使います。
自分で条件を作るか、会員ランクを使うか
上位の会員のセグメントは、自分で条件を決めて作ることも、会員ランクをそのまま使うこともできます。
自分で作る場合は、「利用額(これまでの購入金額)が5万円以上」「注文数が3回以上」のように、購入の実績を条件にします。条件はテンプレートから選んだり、画面上部の「どのようなセグメントを作成しますか?」の欄に文章で入れたりして組めます。
違いは、対象を決める手間と、限定セールが顧客から見て「何の特典」になるかです。
| 観点 | 自分で条件を作る | 会員ランクを使う |
|---|---|---|
| 対象の決め方 | 金額や回数の条件を自分で決め、必要に応じて見直す | ランクの基準がそのまま対象になる |
| 顧客から見えるか | 招待メールが届くまで、自分が対象か分からない | アカウントページで自分のランクを確かめられる |
| 限定セールの位置づけ | セールごとの企画になりやすい | ランクの特典のひとつ。上のランクを目指す理由になる |
「ゴールド会員限定セール」を開いていることをストアのお知らせなどで全員に見せれば、まだゴールドに届いていない顧客にとっても、ランクを上げる目標になります。ランクの段数や基準の決め方は、会員ランクのルール・設定内容の決め方にまとめています。
Pointiaでランクのセグメントを作る
Pointiaの管理画面の「ポイント・ランク設定」で、「ランクシステムを有効化」をオンにしたうえで、「顧客セグメントを自動作成」をオンにして保存します。有効にしているランクごとに、会員ランク: ゴールドのような名前のセグメントがShopifyに作られます。ランクの名前を変えると、セグメントの名前も変わります。

Pointiaでは、顧客のランクが上がったり下がったりすると、セグメントの中身もそれに合わせて入れ替わります。セール用に顧客リストを作り直す必要はありません。
Pointiaの「顧客セグメントを自動作成」は、基本料金無料のStarterプランでも使えます。Starterではランクが2段階なので、最上位はランク2(初期の名前はシルバー)のセグメントです(プランと料金)。
割引の利用資格を、上位の会員のセグメントに絞る
限定セールの割引は、Shopifyの「ディスカウント」で作ります。
- 管理画面の「ディスカウント」で「ディスカウントを作成」を押し、種類を選びます。注文全体を割り引くなら「注文の割引」、特定の商品だけなら「商品の割引」です
- 「メソッド」で「クーポンコード」か「自動ディスカウント」を選びます。招待メールでコードを届けるならクーポンコード、メールを承諾していない会員が多いなら自動ディスカウントが効きやすいです(違いはこのあと説明します)
- 「利用資格」で「顧客セグメント」を選び、「参照」から
会員ランク: ゴールドを選びます - 「スケジュール」で開始日と終了日を決め、保存します

利用資格には、複数のセグメントを選べます。シルバーとゴールドの両方を対象にするなら、2つとも選びます。セグメントはランクごとに分かれていて、会員ランク: シルバーにゴールドの顧客は入らないためです。
クーポンコードを選んだ場合は、同じ画面の「ディスカウントの最大利用回数」で、1人1回までに制限できます。自動ディスカウントにはこの設定がないので、期間中は対象の会員が何度でも割引を受けられます。
クーポンコードか、自動ディスカウントか
| 観点 | クーポンコード | 自動ディスカウント |
|---|---|---|
| 顧客の操作 | チェックアウトでコードを入れる | 何もしなくても割り引かれる |
| 招待メールとの関係 | メールでコードを届ける | メールが届かない会員にも効く |
| 1人1回の制限 | できる | できない |
招待メールを主役にするならクーポンコードが向いています。「ゴールド会員限定のコード」があること自体がメールを開く理由になり、コードを受け取った顧客は自分が対象だと分かります。
一方、メールマーケティングを承諾していない会員が多いストアでは、自動ディスカウントも検討してください。招待メールが届かない会員でも、カート・チェックアウトに進めば割引が表示されます。ただし、顧客が割引に気づかないこともあるので、ストアのお知らせなどで「ゴールド会員はチェックアウト時に自動割引」と告知しておきます。
対象かどうかは、チェックアウトで判定される
利用資格を顧客セグメントに絞った割引では、顧客がチェックアウトで入力したメールアドレスか電話番号で、対象の顧客かどうかが判定されます(Shopifyヘルプセンター)。
そのため、案内したコードが転送されたり、SNSに書き込まれたりしても、コードだけでは対象外の顧客に割引が効きません。反対に、対象の会員でも、ストアに登録しているものと違うメールアドレスで手続きすると割引が効きません。
Shopify Messagingで、同じセグメントに招待メールを送る
限定セールの招待メールは、Shopify Messaging(以前の名前は「Shopifyメール」)で送れます。インストールしていない場合は、Shopify App Storeからインストールします。
- 管理画面でShopify Messagingのアプリを開き、「メッセージを作成」を押します
- テンプレートを選び、メールの本文を作ります
- 「メールの詳細」の「宛先」で、
会員ランク: ゴールドを選びます
宛先に選べるセグメントは1つです。シルバーとゴールドのように複数のランクに送るときは、内容が同じでもランクごとにメールを分けて送ります。
送る前に、次の2点を確かめてください。
- 届くのは、メールマーケティングを承諾した顧客だけ — Shopify Messagingは、承諾していない顧客を送り先から自動で外します。そのため、セグメントの人数より、実際に届く人数は少なくなることがあります(Shopifyヘルプセンター)
- 使えるのは、Shopifyの料金プランがBasic以上のストア — 毎月10,000通までは無料で、超えた分の料金は、ヘルプセンターでご確認ください(Shopifyヘルプセンター、2026年11月時点)
メールには、割引の内容と期間に加えて、次の2つを書きます。
- 対象をはっきり書く — 「ゴールド会員限定」と書きます。対象外の顧客にメールが転送されても使えないと分かるので、無用な問い合わせを減らせます
- 登録しているメールアドレスで購入するよう添える — 登録しているものと違うメールアドレスで手続きすると、対象の会員でも割引が効かないためです
会員先行セールの組み方
年末や初売りでは、上位の会員に数日早くセールを開く「会員先行セール」を組めます。Shopifyでは、割引を2つ作り、スケジュールをずらして予約しておけば実現できます。
例として、12月19日からゴールド会員に先行で開き、12月22日から全員向けに広げる場合です。
| 割引 | 利用資格 | 期間 |
|---|---|---|
| 会員先行 | 顧客セグメント(ゴールド) | 12月19〜21日 |
| 全員向け | すべてのお客様 | 12月22〜25日 |
※開始・終了の日時は、Shopify管理画面で設定しているタイムゾーンで扱われます。
先行の割引は21日の23時59分に終わるようにし、全員向けは22日の0時に始めます。先行の終了を全員向けの開始の直前にしておくと、2つの割引の期間が重なりません。どちらも事前に作っておけば、当日に切り替える作業は要りません。
元日から始める初売りで組むときは、ランクの評価日や時間に気をつけます。Pointiaのランクの定期評価は、評価タイミングが毎月なら毎月1日で、半年ごと・年1回でも初期設定では1月1日が評価日に含まれます。12月中に案内したゴールド会員が、1月1日の評価でランクが下がり、割引を使えなくなることがあります。先行期間を12月中に収めるか、招待メールを1月1日の評価のあとに送ります(ランクの評価のタイミング)。
時刻にも気をつけます。定期評価は、Pointiaの「ポイント・ランク設定」で選ぶ「評価タイミング」の「実行時刻」(日本時間。初期設定は0:00)に始まります。ただし、たとえば12:00に設定しても、12:00ちょうどにすべての顧客のランクが入れ替わるわけではなく、全員の判定と顧客タグの付け替えが終わるまでには一定の時間がかかります。そのため、月初に会員限定セールを始めるときは、セールの開始を実行時刻から少なくとも1時間、できればさらに余裕をもってあけてください。実行時刻が初期設定の0:00のままなら、元日0:00に初売りを始めると評価と重なるので、開始を朝に遅らせるなどして間をあけます。
ポイントと組み合わせる
Pointiaのポイントは、Shopifyのストアクレジットとして付与されます。ストアクレジットは割引ではなく支払い手段なので、限定セールの割引で値引きしたあとの金額に、ポイントをそのまま充てられます。割引の「組み合わせ」を、ほかの割引と組み合わせない設定にしていても同じです(ストアクレジットとは?)。
また、Pointiaでは限定セールの割引を使った注文にも、割引後の金額に対してポイントが付きます(割引された注文のポイント)。
セール品をポイントの対象外にする
割引とポイントの両方で還元すると、そのぶん原資が重くなります。セール品にはポイントを付けたくない場合は、Pointiaの特例ルール(商品やコレクションごとに還元率を変える設定)で、セールの対象商品の還元率を0%にします。セールの対象商品をコレクションにまとめておくと、割引の対象とポイントの対象外を同じコレクションで指定できて便利です。
- Shopifyで、セールの対象商品をまとめたコレクション(例:「会員限定セール」)を作ります。割引の種類を「商品の割引」にすれば、割引の対象にもこのコレクションを指定できます
- Pointiaの「特例ルール設定」で「ルールを追加」を押し、「対象種別」を「コレクション」、「対象条件」を「完全一致」にして、作ったコレクションを選びます
- 「還元率の指定方法」を「固定値」にして、0%を入れます。対象外にできるのは固定値の0%だけで、「増減(+/−)」の0や「倍率(×)」では対象外になりません
- 「適用期間」にセールの開始と終了の日時を入れ、「ステータス」を「アクティブ」にして保存します
特例ルールは、ランクごとには分けられません。ゴールド会員限定セールの対象商品を0%にすると、ゴールド以外の顧客が通常価格で購入した場合にもポイントが付かなくなるので注意してください。
ランクの判定基準が「購入金額」「購入回数」の場合は、対象外にした商品も通常どおり数えられます(ポイントを付けたくない商品)。ほかにも特例ルールがある場合は、最初に一致したルールだけが適用されるので、このルールの優先度を上にしておきます。
セール中だけポイントを上乗せする
反対に、セール中だけポイントを上乗せしたい場合は、特例ルールで還元率を上げ、適用期間をセールと同じにします(期間限定のポイントアップ)。上乗せはゴールド会員に限らず、その期間に対象商品を購入した顧客全員に付きます。還元率を「倍率」で指定すると、ランクごとの還元率の比率を保ったまま上がるので、上のランクほど還元率が高い設定なら、上乗せも大きくなります(還元率の指定方法)。
この方法でできないことと注意点
- 期間中にランクが変わると、対象も変わる — セグメントは、そのときのランクで中身が決まります。ランクは定期評価の日にまとめて変わるほか、Pointiaの「支払い完了時にランクUP評価を即時行う」をオンにしていれば、支払いの直後(昇格)や返金のとき(降格)にも変わります。ランクが下がった顧客は割引を使えなくなり、上がった顧客はその時点から使えるようになります
- 商品やページを会員だけに見せるには、別の仕組みと組み合わせる — この方法で絞れるのは割引を使える顧客だけで、セールのページや商品は誰でも見られます。ページや商品そのものを会員限定にしたい場合は、顧客タグを条件に表示や購入を制限するアプリ(Shopify App Storeで「会員限定」「アクセス制限」などで探せます)か、テーマのカスタマイズと組み合わせます。Pointiaのランクは
loyalty:rank:3のような顧客タグとして付くので、その条件に使えます - ランクを無効にすると、そのセグメントは削除される — Pointiaでランクを無効にすると、そのランクのセグメントも削除されます。割引の利用資格に使っているセグメントが消えないよう、セール中はランクの構成を変えないようにしてください
- Pointiaが限定セールの割引を作るわけではない — 割引はShopifyの「ディスカウント」で作ります。Pointiaにも、ランクが上がった顧客に自動で発行するランクアップクーポンがありますが、限定セールとは別のものです(ランクアップクーポン)
まとめ:会員ランクで限定セールを始める手順
- Pointiaをインストールして、ランクを設定する — Shopify App StoreのPointiaのページからインストールします。ランクの段数や基準は、業態別のプリセットから選べます(会員ランクのルール・設定内容の決め方)
- 「顧客セグメントを自動作成」をオンにする — 「ポイント・ランク設定」で、「ランクシステムを有効化」とあわせて切り替えます
- 割引を作り、利用資格をランクのセグメントに絞る — Shopifyの「ディスカウント」で設定します
- 同じセグメントに招待メールを送る — Shopify Messagingで送ります
Pointiaは、ポイントをストアクレジットとして自動で付与し、会員ランクもあわせて管理できる、日本のストア向けのShopifyアプリです。基本料金無料のStarterプランから始められ、ランクのセグメントもStarterで使えます。開発ストア(動作確認用のShopifyのストア)でも、ランクの判定からセグメントの作成まで一通り試せます(開発ストアで試せますか?)。
この記事にない点はお問い合わせからご相談ください。
※Shopifyの仕様は2026年11月時点のものです。